日本にいるからこそ🎐

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なぜか応援したくなる。ひたむきなカレー屋さんのおじちゃん

毎週土曜日は茶屋を営業しているので、疲れを理由に夕飯を作るのを放棄している。その代わりに始めたのが、近所のカレー屋さん巡り。もともとは、茶屋でお茶を飲んでくれる常連さんが、新しくできたインド料理屋さんの割引券を私にくれたのがきっかけだった。そのインド料理屋さんがおいしかったので、これを機に「土曜日の晩ご飯は、色んなカレー屋さんへ行こう!」となり、今週でカレー屋さん巡りは4回目になる。

が、近所で目に付くカレー屋さんは結構周ってしまったので、ジモティの力を借りる。「あんまりきれいじゃないけど、おいしいところがありますよ。チキンカツカレー1/2がお勧めです。1/2じゃないのを頼むと、とんでもないことになります」とのことで、さっそくネットで調べてみたけれど、口コミで投稿されている写真がヤバい。どうもおいしそうに見えないし、注文してもいないのに、サービスでなんか色んなものが出てくるらしい。う、うーん・・・ちょっと気が進まないけれど、恐る恐る行ってみることにした。

そのカレー屋さんは住宅街の一角にあり、ひっそりと看板が出ている。もし教えてもらわなかったら、気づかずに素通りしそうだ。うらぶれた民家(すみません)にうっすらと明かりが灯っており、始めは「やってないんじゃないか?」と思う。ガラス戸を押して中に入ると、店内では若い2人組の兄ちゃんがカレーを食べており、それ以外の席には既に食べた後の食器が散らかっていた。キッチンでは、控えめそうなおじちゃんが機敏に動きながら料理をしている。我々を見たおじちゃんが、慌てて散らかっている食器を片付け、テーブル席へ通してくれた。なるほど、確かに店内がきれいとはいいがたい。けれど、どこか懐かしい雰囲気がしてホッとするのは私だけだろうか。小さい頃に、ナポリタンやクリームソーダを食べた店のような雰囲気だ。私はビーフカツカレー1/2を、旦那はチキンカツカレー1/2を注文した。

まず、メニューに「サラダ」と書かれている品が出てくる。サラダの概念が覆されそう。

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サラダ?

そして、ビーフカツカレーが運ばれてくる。魚の街らしく、わかめがのってます。ビーフカツは2枚ご飯にドドーンと乗っかっており、とても女子1人では食べきれません。ルーはとても優しい味で、ビーフカツにかかっているコショウがちょっとしたアクセントになり、とてもおいしい。わかめとカレーって意外に合うんですね。ちなみにここは、去年、全国放送のテレビに出たのだそう。

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わかめ入りビーフカツカレー

お腹がいっぱいだけれど、デザート3種盛りが運ばれてくる。プリンとチョコムースは濃厚で、ヨーグルトベースのケーキは、甘さと酸味のバランスが絶妙でクセになる。これだけ食べて、ビーフカツカレー1/2は¥800。コーヒーは1杯100円。安くてたくさん食べられて嬉しいのだけれど、私は逆に「これは、ちゃんと利益が出ているのか・・・」と心配になった。せめてコーヒーは、1杯¥200円にしてはどうですか?おじちゃん・・・。

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自家製かな?デザート3種

店を出た後、私は「商売って、一体何なのだろう?」と不思議に思った。なぜなら私はこの店が気に入り、また来たいと思ったからだ。けれど、カレーがめちゃくちゃおいしい!という訳でもなければ、雰囲気が抜群という訳でもない。ただ、あの黙々とカレーを作っているおじちゃんの「ひたむきさ」に惹かれたのだと思う。ネットには、カレー以外の色んなものが出てくることに批判的な書き込みもあるし、評価もパッとしない。でも、このおじちゃんは、そんなことは気にも留めず、ずっと同じメニューを出し続けているのだ(ネットの情報は2008年だったが、出て来たメニューは変わっていない)。

あとは、この不器用そうに見えるおじちゃんに、どこか自分と似たところを見たのかもしれない。世の中には、派手に宣伝をしてうまく商売をするのが得意な人もいる一方、そういうのが得意でない人もいる。私もその部類で、目立ちすぎることなくひっそりとやっていたい。茶屋も、次から次へとお茶が売れて売り上げが上がるよりも、ぼちぼちお茶を淹れては人と話したりして、豊かな時間を過ごしたい。そういう私の勝手な共感も、この店に惹かれる理由なのかもしれない。

 家に帰り、自分が見たグルメサイトのこの店のレビューを、私も書くことにした。なにせ、投稿されているカレーの写真があまりにもひどかったので、自分が撮ったこましな写真を投稿すれば、写真を見て「行くのはよそう・・・」となる人が1人でも減るかもしれない。でも、カレーを作っているおじちゃんは、そんなことは一寸も気に留めてないんだろうけど。

次はタッパを持参して、カレーを食べに行きますね、おじちゃん。