日本にいるからこそ🎐

日本人も知らない日本を知る

9月の終わりは、クラフトビール屋で

自宅から走って30秒くらいのところに、クラフトビール屋がOpenしたので早速行ってみることにした。シャッター商店街の一角で、たまに行くデザイナーのお兄さんがやっているコーヒースタンドのお近く。今日は月曜日だし、時計はまだ16:30頃と陽は高い。やってるかなぁ~という感じで店を覗いたら、爽やかなお兄さんが出迎えてくれた。16時からやっているらしい。

色んな種類のクラフトビールがあるので迷う。とりあえずフルーティーなやつをたのんで、つまみに静岡名物の黒はんぺんのアヒージョを注文した。そしてお兄さんと色々とお話しする。「脱サラして、店開いたんですよ」お兄さんは私よりも若いのかな?と思いきや、40歳だと言う。「会社員を辞めて、店をやろうって思ったきっかけが何かあったんですか?」リスクを取って、実際に自分の好きなことをできる人は多くはない。「人生あと半分だと思うと、この辺で勝負に出ようと思って」店内はシンプルながらも居心地のいい雰囲気でまとまっていた。店のほとんどをお兄さんが自分で作ったのだとか。ちなみに前職はビールとは全く関係のない業界だそう。「なかなか予定通りに進まなくて、9月上旬Openから中旬、下旬と外の看板をどんどん書き換えていきました(笑)今日もうすぐ椅子が届きます」あぁ立ち飲み屋だと思っていたら、イスが間に合わなかったのね。ビールはフルーティーで香り高くて、とても美味しい。

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そうこうしていると、おじさまが入ってこられた。始めは私とおじさまの間に距離があったが、お兄さん、おじさま、私で話をしているうちに、私はおじさまと隣同士に立ってお話しするようになった。そして地元の色んなことを教えてもらう。「藤枝のあさらー(朝からラーメンを食べること)はおいしいですよ。冷たいのと温かいの両方がでてきてね、スープにわさびを溶かして食べるんです」あさらーは聞いたことはあったが、まだ試したことはなかった。スープにわさびを溶かすとは面白い(静岡はわさびの産地ですごくおいしい)。ちょっと行ってみるか。「店にご飯食べに行ってね、始めに出て来るお茶の質でその店の実力が分かるんですよ。まずいお茶を出すところは、料理もおいしくない」さすが静岡県民。お茶の味の舌が肥えてるんですね。ちなみにこのおじさまのご実家もお茶農家さんだったそう。「もう今はお茶農家は儲からなくて、どんどん数が減っています。みんなペットボトルのお茶を飲むからね。全国の安い茶葉を混ぜてペットボトルのお茶は作られてるんです。お茶農家の後継ぎもいなくてね」ところで静岡県の中でも産地によってお茶の味は異なる。このおじさまは私が一番好きなお茶の産地「川根」のご出身だった。

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その後店には関西出身の三人(なんと私と同郷の人がいた!)、イスを納品しに来た家具屋さんが来られた。家具屋さんはこのビール屋のお兄さんのお知り合いらしい。家具屋さんと話をする。「僕は元々バイクメーカーの開発だったんです。脱サラして、インテリアが好きだし家具屋になりまして。家具を自分で作っています」この家具屋さんを知り合いが知り合いに紹介して、商売が成り立っているのだとか。商売は本当に人と人との繋がりなんだなぁとつくづく思う。私もこのお兄さんが作っている家具が気になる。

ところでこのビール屋のお兄さんの雰囲気は、どこか私がカフェの一日店主をさせてもらっていたあのカフェのお姉さんに似ている。「ひっそりここを先週にOpenしたんです。大々的な宣伝はしていません。店の看板もまだないんです。あんまり儲ける気がないっていうか(笑)あぁ、店の電気まだつけてなかった」と言って、お兄さんはお店の外の電気をつけに行った。『あぁ、多分ここの店は流行るだろうな』と思った。私が通っている流行っている店の経営者は、こういう緩さがある人が多かった。あのカフェのお姉さんも、あのカレー屋のマスターも。シンガポールで知り合った写真家のAlanも手相占い師のTeoさんも、こう言っていた。「宣伝はしていない。口コミでお客さんが来るようになった」

ちょっと一杯飲むつもりが、隣のおじさまにビールを奢ってもらったりして、結局三杯も飲んでしまった。気づけばもう20時すぎ。そして「もう一軒行こう!日本酒ちょっと飲もう!」と強引に私を連れていこうとするおじさまを受け流して、歩いて一分の自宅へ戻りながら思った。この土地が好きなだなぁ。商店街をブラブラしてデザイナーのコーヒー屋のお兄さんと話したり、こうして酒をちょっと飲みに来れたり、占い師のおばちゃんと話したり。気分転換に海を見に行くこともできる。多分早ければ、来年の春にここを去ることになるのだろうな。シンガポール同様に、ここを離れるのは寂しいなと思う。でも今までもそうだったように住めば都で、どこに住んでも最後は同じように寂しく思うのかもしれない。

次はどこに住むのやら。

(中国プーアル茶の旅まで、あと20日!)