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9/21(土)福島被災地スタディツアーへの参加 ~いわきの漁業「ここの魚だからこそ安全かもしれない」~

小名浜魚市場に到着し、職員の方に施設の中や漁業の現状をお話し頂く。「来てくれてありがたいと思っています。福島は原発処理がまだ終わっていないから、敬遠されている方もいると思います。でも我々はこうして暮らしていますので、安全面をアピールしていきたいと思っています」もちろんです。

ここは日本でも有数の高度衛生管理型魚市場で、従来のオープン型の市場とは違い衛生面を徹底している。(全てのオープン型魚市場がそうだとは言わないが)例えば従来のオープン型市場であれば鳥や猫は辺りをうろつき放題で、長靴を履いたままトイレへ行きそのまま作業をすることもありうる。また買い付け人が魚の側で煙草を吸うこともできるなど、こうした小さなことが夏場の食中毒などに繋がることもあるのだとか。

(こちら、新小名浜魚市場)

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(こちら旧小名浜魚市場。確かにオープンです)

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「ここは徹底した閉鎖型にしています。鳥も猫も車も入ることができませんし、ドアも二重になっています。内側のドアが閉まらないと外側のドアが開かない。」作業員は作業場に入る前に所定の工数(手洗い、長靴と手の消毒等)を経なければ、ドアが開かないシステムになっている。

(今日は魚はありませんでした)

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こちらは船に積む氷を作っている部屋で、50t/日作られている。捕れた魚は船で-5℃~-10℃で保存されており、魚を捕った後からすぐに品質管理が行われている。電気が良く止まる国では氷をこんなに作るのは大変だろう。なぜ自分が新興国で魚介によく当たったのか、分かる気がする。

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ここで一旦デッキへ行く。ここは津波が渦巻き状になってやってきたため(一直線ではなかった)、壊滅的な津波はこなかったとのこと。その代わり水位が上にあがっていったのだという。「ここでは逃げ遅れた一人が亡くなりました」

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次に放射線量を測定している検査・下処理室へ案内頂く。

(ここは下処理室のよう)

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まずここで捕る魚種というのが決められている。8年間捕獲した魚のデータをモニタリングし、原発から出た汚染水を流さなければ問題ないと判断されたものだけを捕っている。ある地点に留まっているような魚よりも、カツオやいわし、さんま、サバなどの回遊魚の方が放射能は検出されないのだとか。そういった安全な魚種だけを捕るという第一段階のフィルターがあり、さらに水揚げ日毎に魚の放射能検査が行われている。具体的には魚種毎に一検体以上を採取し、ミンチや切り身にして検査機にかける。

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(検査室)

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そして魚種毎に検査結果と検査証明書を添付して、出荷される。合格基準は放射能の含有量が50Bq/kg未満であることで、これは国の基準値100Bq/kgに対して自主的に厳しい基準を設けている。
(検査証もどうぞどうぞ写真をお撮りくださいとのこと)

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こうした徹底した衛生管理や安全面を訴求する背景は、やはり福島産=危ないというイメージや風評被害からの脱却だ。福島の魚だけが悪く言われて、隣の茨木や宮城は悪く言われない。茨木や宮城県の海域で捕れた魚でも、福島で売ると売れない。けれどその逆(つまり福島県の海域で捕れた魚を他府県で売る)と売れるのだそう。どうやら魚が取れる位置よりも、水揚げされる港でその魚に対するイメージというのは作られるらしい。しかし海というのは繋がっているので、よく考えてみると福島産=危険と考えるのもおかしな話だ。なぜなら魚はどこをどう泳いでいるか分からず、放射能を持っているかもしれない魚は福島に限らず、他府県に行きついていることもあるだろう。さらにここでは毎日こうして検査が行われているが、他府県ではそこまで厳しく検査をしていなかったらどうなるか。つまりここで水揚げされた魚の方が、もしかすると他で水揚げされた魚よりも安全な可能性だってあるわけだ。仮に放射能を浴びている魚がいたとしても、きちんとそれを判別して出荷している。職員の方は言う。「2:2:6の法則というのがあります。2割は福島の魚でも気にせずに食べると言う人。もう2割は絶対に食べないという人。残りの6割は安全が確保されていれば食べると言う人。我々はこの6割を2割の気にせず食べる人になってもらいたいと思っています。」

私はこの後『無知というのは恐ろしいことだ』と思いながら、いわき市で捕れた魚がのった寿司を堪能した。

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~つづく~