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フリーエージェントになる決意をする

カフェの一日は薪ストーブに火をつけることから始まる。そしてこれが一日の仕事の中で最も難しい。始めに薄めの木と新聞を入れて、火をつける。次に少し大きめの木を入れる。火が安定してきたら、大きな木を入れる。その後はこの大きな木を切らさないように入れて、部屋を常に暖かくしなければならない。この大きな木を入れるまでが結構難しく、せっかく火がついてもすぐに消えてしまったりする。この物件のオーナー曰く、火を30分くらいかけて育てなければならないらしい。ところでこのカフェにはエアコンがないので、薪ストーブに火をうまくつけらないと恐ろしく寒く、お客様にとっては拷問に近くなる。なので毎日薪ストーブに火がちゃんと着くかハラハラするのだ。

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カフェの運営はとても平和だった。森の中にあるので冬場は寒く、人がまばら。ある日はお茶好きの人や常連さんがちらほらときてくれて、ある日はどっとお客さんが同じタイミングで来ることもあった(どうしてお客さんはこう重なるのだろう)。またある日は全く誰も来ない日もあった。お客さんが来なければ私は居心地のいいカフェを独り占めして、薪ストーブの前で”人生は意外とすてき”という本を読んだり、一日に二回Facebookで投稿しているお店の宣伝用の写真を撮ったりしていた。いい感じの写真を撮るいい練習になる。なんせ時間はたくさんあるから。

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そして平日仕事で忙しい旦那が、なぜか週末カフェを手伝いに来てくれる。薪ストーブに火をつけたり(しかしある日うまくつけられなくて、いじけてしまった)、植木に水をやったり、外の枯れ葉や枝を掃除したり。お客さんが来ると店内まで誘導し、私が茶を出すまで世間話をして間を持たせてくれたりした。旦那は始めはエプロンがなかったので、「まき係」というネームプレートを服に貼って店員であることがわかるようにしていたのだけれど、しまいにエプロンを買ってきた。本人曰く、楽しいのだそう。多分会社で働いているよりも、活き活きしていると思われる。

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(たまに旦那もいち顧客になる)
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閉店後、自宅までの帰り道に旦那の運転する車の中でふと思った。『多分もう会社勤めをしても適用できないだろうな。シンガポールにいた時みたいに、何か自分でするか』元々、自分で綿密に考えてプランを練り、自分で判断し(自分で決めたくないという人が多いのはなぜなんだろう)、色んなことを動かしながら効率よく自由に進めるのが好きだった。自分一人ならうまくできることが、組織に属すことで非効率になったり人の判断を仰がなければならないことが、もはや我慢ならない(笑)。日本ではそれなりの会社に約10年勤め社会人の基礎をきちんと築いたし、短期間ではあったもののシンガポールでとあるベンチャー企業で、組織を作ったり会社を管理する経験もした。その後どこの組織にも属さずにオンラインの日本語教師やWebライターをしながら、シンガポールのローカル学校で非常勤の日本語教師として教壇にも立った。今回のカフェの運営をきっかけに、”もう誰かの下で働くのではなく一人で全ての責任を負って、自由な発想のもと仕事を表現してみろ”と言われている気がした。

こないだ読んだ「フリーエージェント社会の到来(ダニエル・ピンク著)」という本によると、この本が出版された2001年の時点で、アメリカでは4人に一人がフリーエージェント(フリーランスのようなもの)だそう。今回カフェを一時的に運営してみて飲食店をする気にはならなかったが、自分で商売をすることの垣根が低くなった(なんだって始めるのは簡単で、維持・発展が難しい)。私もこの本に出て来るようなフリーエージェントという形態で、自分の好きなこと×得意なこと×人の役に立てることをやっていくことにするか。というか、もうそれしか残されていない・・・。そしてそういう私の選択が、多様な働き方の一例として誰かの参考になればいいなとも思う。

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