日本にいるからこそ🎐

日本人も知らない日本を知る

最後の授業は人生相談を

今日が学校の最終出社日だった。三コマある授業のうち、一コマは日本人の女の子一人だけに教える授業だったので、私は勝手に授業内容を人生相談に変えることにした。(ここの生徒の99%は外国人だが、日本人も数人いる)学校が作ったつまらない授業科目よりも、私の経験から彼女のこれからの人生において、何かアドバイスできることがあればと思った。彼女はここの学校の生徒であり、インターンシップ生でもあった。

「もうお聞きかと思いますが、私の授業は今日が最後です。もし仕事のこととか、何か聞きたいことがあれば聞いてください。時間があまったら、この科目の勉強をざっとしましょうかね」「え?どういうことですか?何も聞いてませんけど。でも聞きたいことはたくさんあります!」そしてここから20歳の生徒さんと35歳の私との人生相談会が始まった。彼女の相談は就職から始まり、家庭の問題、彼氏と喧嘩が多いこと、一人暮らしをしたいけど一人でやっていけるかなど多岐にわたった。20歳の女の子が悩んでいそうな悩みばかりであり、私も大学生の頃は同じようなことを悩んでいたように思う。

「就職はね、あまり周りの人のことは気にせずに、自分がしたいようにすればいいんですよ。自分がおもしろいと思うことができると一番いいです。そのためには、自分が何に興味があるか、何をおもしろいと感じるかをまず知らないといけませんね。私も自分のことよく分かってないんですけど」「自分のことって、どうやって知れますか?」ここで私が勧めたのは、”シンプルリスト”という本だった。自分のことを知るための質問がたくさん書かれた本で、それに答えていくことで自分の価値観を知ることができる。「どこかカフェとか、海辺の公園とか、ちょっと非日常的な場所で静かに質問に答える作業ができるといいですね」「やってみます!あと彼氏と喧嘩が多いんですけど、この歳だとそういうもんですか?」「はい、そんなもんだと思います。自分の生活に占める彼氏の割合がきっと大きいだろうし。まぁ、でも男と女だと生き物の種類が違うから、分かってほしいとか期待しない方がいいですねぇ。確か男と女の考え方の違いみたいな本、あったと思いますよ。それ読んだら、男性の思考回路が分かっていいかもしれませんね」彼女はせっせと本の名前をメモしている。「今の私にお勧めの本、他にありませんか?」と言われて、勧めたのはこれらの本だった。

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「話を聞いてもらって、ありがとうございました。誰にも話せなかったので、しんどかったんです」誰かに話しをただ聞いてもらいたいという気持ち、よく分かります。それもある程度、しんどさを理解してくれる人にね。「また何かあったら相談してもいいですか?」「こんなのでよければ、いつでもどうぞ」最後にお互いの連絡先を交換し、授業はお開きとなった。

人生相談会以外にも外国人に向けて二コマの授業をしたけれど、まぁ散々なものだった。科目自体が専門的過ぎて、日本人はおろか日本語がそんなにできない外国人にとっては、ちんぷんかんぷんだっただろう。私も正直お手上げだった。居眠りをする学生、携帯で遊ぶ学生、つまらなさそうに聞く学生を前にして、80分×2コマも話し続けるのは今までの社会人経験の中で、もっとも辛い仕事と言ってもいいかもしれない。学生さんはアルバイトをしてがんばって金をつくり、学費を払っている。新興国の方々にとっては、大金だろう。私は彼らが払っている金に見合うだけの授業ができなかった。これは本当に申し訳なかった・・・。

ドライな性格の私は夕方早々に荷物をまとめ、書類や名刺を次々とシュレッダーにかけた。そして定時に「お世話になりましたーおつかれさまでしたー」とあたかも来週来るかのような感じで、ごく普通にオフィスを出た。最後廊下で、今朝人生相談の授業をしたインターンシップ生がお辞儀をして言った。「授業をありがとうございました。機会があれば、ぜひまた!」たった一人だけでも、私の授業を受けて何か得るものがあってくれて良かった・・・。私はもう学校で働くことはないだろう。