今週も水曜日は己書!教室に到着すると、コーヒーの良い香りがする。己書幸座に参加している、ここの大家さんが、ドリップコーヒーを淹れているところだった。「はい、どうぞ」紙コップではなく、わざわざ陶器のコップを持参して、アツアツのコーヒーを出してくれた。「おいしい!」私を含めて、己書の先生と他の生徒さんも口々にそう言い、みんなでほっこりした。大家さんは、本当は、こうして皆においしいコーヒーを淹れたかったのだ。通常、ここではコーヒースタンドが営業されているので、気を遣っていたのだろう。今日はコーヒースタンドはお休みだった。腹ごしらえにみかんを食べて、己書幸座スタート!
さて、今日のお題は春らしい作品。見本を見た時は「えぇ~難しそう。書けるかなー」と思うのだけれど、意外と書けるもんです。せっせと書いた後は、お互いの作品を褒め合う。私の字を見たご婦人が「字が優しいですねぇ。性格がでるんですね」とおっしゃってくれました。う、うーん。結構、それは幻想に近い。

先生が「フレームとかに入れて飾ると、良い感じになりますよ」というので、さっそくフレームに入れて、私の本棚に飾ることにした。確かに、本棚が一気に明るくなった気がする。

先生が最後にお知らせをする。「みなさん、そろそろ4級が近づいてきたので、今後についてお話しします」3,2,1級は、作品を書いて合格しなければならないこと。師範になるには、名古屋や東京などへ出向いて、作品を書いたりしなければならないこと。「師範を目指したいという方は、全力でサポートします」せっかくなので師範を目指したいのだけれど、登録料と年会費みたいなのがべらぼうに高い。とりあえず、目指せるところまで目指して、合格できたらまた考えよう。師範試験の難易度は、かなり高いと聞いたことがある。
ところで、私にとって己書の師範になるということは、筆ペンを人に教えるというよりも、自分の人格を磨くことに近い。私の己書の先生はいつも穏やかで、我々がどんなにへんてこなものを書いても、いつも褒めてくれた。何1つ否定することなく、アドバイスする時も押しつけがましくない。そして、ちょっとおっちょこちょいで、和むことが多い。「ちょっと変になっちゃったなぁ」とか「やばい、これはやばいぞ」などと言いながら、ゆるく手本を書いてくれる。これを聞きながら「またかい」と思うのだけれど、ぷっと吹き出しそうになったりして、緩やかな時間が流れていく。自分もこういうことが人にできるのかを考えると、なかなか難しいものがある。
今回の己書も、とても楽しかった。大家さんのおいしいコーヒーをいただいたり、みんなで字を書いて褒め合ったり、自分の作品を棚に飾ったり。最後に「おやすみなさーい」と言って、それぞれの帰路に着いた。また新しい土地へ引越ししたら、そこで己書幸座を探して、参加するといいのかな。そしたら、誰かとのゆるい関わりができて、孤独が軽減されるだろうから。